
夜、そろそろ寝ようと思ったときに、壁や天井に大きなアシダカグモがいたら驚きますよね。しかも、少し目を離した間に姿を消してしまうと、「寝ている間に布団へ来ない?」「ベッドの下にいるのでは?」と気になって、なかなか眠れなくなる人もいると思います。
結論からいうと、アシダカグモが寝ている人間を狙って近づいてくるような生態は確認されていません。
アシダカグモは人間ではなく、ゴキブリやハエなどの小さな生き物を捕らえる徘徊性のクモです。夜に家の中を歩き回ることはありますが、「人のベッドを寝床にしよう」「寝ている人に近づこう」と考えて動いているわけではありません。
ただし、夜間に歩き回る以上、移動の途中でベッドの近くや寝室の壁を通る可能性までゼロとはいえません。だからこそ、寝る直前に見失ってしまった場合は、怖がって闇雲に家具を動かすよりも、アシダカグモが隠れやすい場所を知っておくことが大切です。
「アシダカグモが寝るときって、どこにいるの?」「昼間にじっとしているのは寝てる?」「夜、自分が寝るときに出てきたらどうすればいい?」
この記事では、そんな疑問をアシダカグモの生態と研究資料をもとに整理していきます。見失ったときにチェックしたい場所や、人への危険性、ゴキブリとの関係、家に居つかせにくくする方法までまとめました。
なお、アシダカグモの学名は Heteropoda venatoria です。日本でも古くから生活史が研究されており、ゴキブリやハエなどを捕食するクモとして知られています。
参考:J-STAGE「アシダカグモ Heteropoda venatoria Linnaeus の生活史に就いて」
記事のポイント
アシダカグモが寝るときに一番気になる疑問
まずは、生態の詳しい説明に入る前に、「今まさに寝ようとしているのにアシダカグモがいる」という人が知りたいポイントから整理します。
寝ている人にアシダカグモが近づいてくることはある?
アシダカグモが人間を獲物として認識し、寝ている人へ積極的に近づいてくると考える必要はありません。
アシダカグモは網を張って待つクモではなく、自分で歩いて昆虫などを捕らえる「徘徊性」のクモです。フロリダ大学の資料でも、ゴキブリなどの屋内害虫を捕らえ、捕食網を使わずに獲物を捕らえることが説明されています。
参考:University of Florida IFAS Extension「Pantropical Huntsman Spider, Heteropoda venatoria」
つまり、夜の部屋を歩いているアシダカグモが探しているのは、人間そのものではなく、基本的には捕食できる小さな生き物です。
とはいえ、アシダカグモに「ベッドには入らない」というルールがあるわけでもありません。家の中を移動している途中で、ベッドの脚や壁、カーテンなどを経由する可能性はあります。
ここは、「人に寄ってくることはない」と「絶対にベッド周辺へ来ない」を分けて考えると分かりやすいかなと思います。
布団の中に入ってくる可能性は?
アシダカグモが人の布団を好んで寝床にする、という根拠は確認できません。
むしろアシダカグモが身を隠しやすいのは、家具の下や裏、壁際、収納の中など、外から見えにくい場所です。体が平たいため、大きく見える割に狭い隙間へ入り込むことができます。
ただし、床に脱ぎっぱなしの衣類が山になっていたり、布団の横に荷物や段ボールが積まれていたりすると、その周囲には隠れられる空間が増えます。
寝る前にアシダカグモを見失ったなら、布団そのものだけに注目するより、ベッドの下、壁との隙間、カーテンの裏、家具の陰、床に置いた衣類や荷物の周囲を確認する方が現実的です。
寝る直前に見失ったらどうする?
一番困るのが、「さっきまで壁にいたのに、どこへ行ったか分からない」というパターンですよね。
この場合、私は無理に家具を全部動かして探し回る必要はないと思います。アシダカグモは動きがかなり速いため、追い回すほど別の隙間へ逃げ込み、かえって居場所が分からなくなることがあるからです。
まず、次の順番で確認してみてください。
- 枕や掛け布団を軽くめくり、寝具の表面を確認する
- ベッドや布団と壁の間を見る
- ベッドの下や家具の下をライトで照らす
- カーテンの裏側やカーテンレール周辺を見る
- 床に置いた服、タオル、バッグなどを確認する
- スリッパや靴を履く前に中を確認する
特に靴や衣類など、「クモが入っていることに気づかず人間が圧迫してしまう状況」は避けたいところです。フロリダ大学の資料でも、アシダカグモを不用意に扱った場合や、靴の中などで偶然押さえつけた場合には咬まれる可能性があるとされています。
見つからない状態でどうしても怖くて眠れないなら、その日は別の部屋で寝るという選択もあります。これは「アシダカグモが寝ている人を襲うから」ではなく、不安なまま無理に同じ部屋で寝る必要はない、という意味です。
アシダカグモが寝るときと活動周期

ここからは、アシダカグモがどのような時間帯に活動し、私たちが「寝ている」と感じる時間に何をしているのかを見ていきましょう。
人間からすると「夜中に突然出てくるクモ」ですが、アシダカグモ側から見ると、夜は活動しやすい時間帯です。
夜にアシダカグモが出てくる理由
アシダカグモは夜間に活動することで知られる大型の徘徊性クモです。
クモの巣を張って獲物が来るまで待つタイプではなく、自ら移動して獲物を捕まえます。ゴキブリやハエなどの屋内にいる昆虫も捕食対象になります。
そのため、私たちが電気を消して寝ようとする時間帯に、壁や床を歩いている姿を見ることがあります。
「人間が寝るとアシダカグモが出てくる」と感じるかもしれませんが、人が眠ったことを確認して出てきているわけではありません。単純に、私たちとアシダカグモの活動する時間帯がずれていると考える方が自然です。
また、夜になると人の動きが少なくなるため、昼間より姿を見つけやすくなる面もあるでしょう。
日中じっとしてるのは寝てる?
では、日中にアシダカグモが壁や家具の陰でじっとしていたら、「寝ている」と考えてよいのでしょうか。
ここは少し慎重に考える必要があります。
日中に動かず潜伏している状態を、人間の日常会話として「寝ている」と表現することはできます。しかし、アシダカグモについて人間と同じような睡眠段階が確認されているわけではありません。
そのためこの記事では、「睡眠」と断定するより、休息・潜伏して活動を抑えている状態と考えます。
じっとしていても、振動や接触などの刺激があれば急に走り出すことがあります。見た目には完全に止まっていても、必ずしも人間の深い睡眠のような状態とは限りません。
「昼間ずっと動いていないから死んでいるのかな?」と思って近づくと突然走り出す可能性もあるため、素手で触るのは避けた方が安全です。
アシダカグモが寝る場所はどこ?
日中に休息・潜伏するアシダカグモは、外から見えにくく、体を隠せる場所を利用します。
特に重要なのが、アシダカグモの平たい体です。
脚を広げている姿を見ると「こんなに大きなクモが隠れられる場所なんてない」と感じますが、胴体そのものは薄く、狭い隙間へ入り込むことができます。
フロリダ大学の資料でも、平たい体によって意外なほど狭い亀裂や隙間へ入り込めることが説明されています。
家の中で確認したい主な潜伏場所
- 大型家具の裏や下:本棚、タンス、テレビ台など、人が普段動かさない場所。
- 家電の周辺:冷蔵庫や洗濯機などの横・裏側。ただし、感電や転倒の危険があるため無理に動かさないでください。
- 壁際や構造上の隙間:巾木の周辺、家具と壁の間など。
- カーテンや壁掛けの裏:表から見えにくく、体を隠しやすい場所です。
- 押し入れ・クローゼット:人の出入りが少なく、荷物の陰が多い場所。
- 段ボールや長期間動かしていない荷物の周囲:荷物と壁、荷物同士の間に隠れられます。
- 物置やガレージ:昆虫が入り込みやすく、人の動きも少ないため確認されることがあります。
日中に姿を見失ったら、部屋の中央よりも、こうした「物と物の境目」「家具の裏側」「暗い収納」の方を考えると居場所をイメージしやすいです。
天井や壁にいるアシダカグモはどこへ消える?
天井や壁にいたアシダカグモが、一瞬目を離しただけで消えてしまうこともあります。
壁を移動したあと、カーテンレール周辺や家具の裏、壁際など、視線が届きにくい場所へ移動している可能性があります。
また、「いつも似た場所で見る」ということもあるかもしれません。
ただし、それだけで「アシダカグモには決まった縄張りがあり、同じ寝床へ毎日帰る」と断定するのは避けた方がよいでしょう。単純に、その周辺に隠れやすい隙間や獲物があり、利用しやすい環境になっている可能性もあります。
何度も同じ場所で見かけるなら、「その場所自体にアシダカグモを引き寄せる条件がないか」という視点で確認してみるのがおすすめです。
アシダカグモとゴキブリの深い関係
アシダカグモについて調べると、必ずといっていいほど出てくるのがゴキブリとの関係です。
これは単なる都市伝説ではありません。
1975年に「衛生動物」へ掲載された国内の資料でも、アシダカグモ Heteropoda venatoria はゴキブリやハエなどの害虫の天敵として知られていると説明されています。
参考:J-STAGE「わが国におけるアシダカグモの地理的分布」
つまり、家の中でゴキブリなどと遭遇すれば、それを捕食することがあります。
ただし、ここで注意したいのが、「アシダカグモを1匹見た=家にゴキブリが大量発生している」とは限らないことです。
アシダカグモは移動するクモなので、屋外や別の場所から入り込むことも考えられます。家の中に餌となる昆虫が存在すれば滞在する理由の一つにはなりますが、アシダカグモの存在だけからゴキブリの数までは分かりません。
逆に、何度もアシダカグモを見るうえに、ゴキブリの糞や卵鞘、実物まで確認しているのであれば、クモだけを追い出すのではなくゴキブリ対策も同時に行った方がよいでしょう。
益虫と呼ばれるアシダカグモの習性
アシダカグモは体が大きく、脚も長いので、見た瞬間に「害のあるクモなのでは?」と感じてしまう人もいると思います。
しかし、人間にとって不快な昆虫を捕食することから、一般には「益虫」あるいは人に利益をもたらすクモとして紹介されることがあります。
もちろん、「益虫」という言葉は、虫が苦手な人の恐怖まで消してくれるわけではありません。ゴキブリを食べてくれると分かっていても、あの大きさのクモと一緒の部屋では眠れないという人もいるでしょう。
1. ゴキブリなどの昆虫を捕食する
アシダカグモの大きな特徴が、家屋内へ入ってくる昆虫を捕食することです。
特にゴキブリとの関係がよく知られていますが、獲物はゴキブリだけに限定されるわけではありません。
ただし、「アシダカグモ1匹で家中のゴキブリを完全駆除できる」といった期待はしない方がよいでしょう。捕食者として役立つ面があっても、住宅の害虫対策をアシダカグモだけに任せることはできません。
2. 獲物を捕るための網を張らない
アシダカグモは徘徊して獲物を捕らえるため、一般的な「クモの巣を張って、そこへ虫が引っ掛かるまで待つ」という方法では狩りをしません。
そのため、アシダカグモが部屋にいるからといって、部屋の角に大きな捕食用の網がどんどん作られるという種類ではありません。
ただし、クモである以上、糸をまったく使わないという意味ではありません。卵のうなど、捕食網とは別の用途で糸を利用します。
3. 人間を狙うクモではない
アシダカグモが家にいて最も安心材料になるのは、人間を獲物として追いかける生き物ではないことです。
大きな体で突然こちらへ走ってくると、「襲ってきた!」と感じることがありますが、人の動きから逃げようとした結果、たまたまこちら側へ走った可能性もあります。
だからといって触ってよいわけではありません。追い詰めたり、手でつかんだりする必要はありません。
アシダカグモ本人を扱った研究を確認してみた
元々アシダカグモについては、日本でもかなり以前から研究されています。
1943年には日本蜘蛛学会の「Acta Arachnologica」に、關口晃一氏による「アシダカグモ Heteropoda venatoria Linnaeus の生活史に就いて」が掲載されています。
さらに1975年の国内調査では、日本各地におけるアシダカグモの分布が調べられ、当時の調査ではゴキブリやハエなどの害虫の天敵として知られるクモとして紹介されています。
ここで注意したいのは、同じアシダカグモ科に近い仲間や、海外の別属のクモについて行われた研究を、そのままアシダカグモ Heteropoda venatoria の性質として扱わないことです。
例えば社会生活をする別属のクモについて興味深い研究があったとしても、それだけで「日本の家にいるアシダカグモも同じ行動をする」とはいえません。
アシダカグモの寝る場所や人への安全性を考えるときは、できるだけ Heteropoda venatoria 自体、または少なくともその種を明示している資料を確認することが大切です。
アシダカグモの睡眠と寝るときの不安

ここまでは、アシダカグモの「寝るとき」を、日中の休息や潜伏という視点から見てきました。
では科学的な意味で、クモは本当に眠るのでしょうか。
クモの睡眠や夢に関する研究
「クモにも人間のような睡眠があるの?」という疑問について、興味深い研究があります。
2022年、PNASに掲載された研究では、ハエトリグモの一種 Evarcha arcuata を観察したところ、休息中に周期的な網膜の動きや脚の動きなどが確認されました。
研究者は、これらの特徴からREM睡眠に似た状態の可能性を報告しています。
- 休息中に周期的な網膜運動が見られた
- 脚を丸める動きなどが同じ時間帯に観察された
- こうした状態が一定の間隔で繰り返された
非常に面白い研究ですが、ここで「クモも人間と同じ夢を見ている」と断定してしまうのは早いです。
研究が示しているのは、あくまでREM睡眠に似た特徴を持つ状態です。
アシダカグモにも同じ睡眠がある?
さらに重要なのが、この2022年の研究対象はアシダカグモではなく、ハエトリグモだという点です。
そのため、アシダカグモにも同じREM睡眠様状態があるとは現時点で断定できません。
まして、「日中家具の裏にいるアシダカグモは夢を見ている」とまでは言えません。
現状では、「アシダカグモが日中じっとしていること」と「別種のハエトリグモでREM睡眠に似た状態が研究されたこと」は分けて考えるのが正確です。
それでも、これまで単純な休止状態と思われがちだったクモについて、睡眠に近い現象が研究されていること自体は、とても興味深い話ですよね。
アシダカグモがいなくなるのはどんなとき?
「アシダカグモはゴキブリを全部食べると勝手に家から出ていく」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
確かに、アシダカグモにとって獲物を確保できるかどうかは生活環境を考えるうえで重要な要素でしょう。
ただし、「ゴキブリを食べ尽くした瞬間に必ず家を出ていく」と考えるのは単純化しすぎです。
アシダカグモの行動は餌だけで決まるわけではありません。身を隠せる場所、気温、周囲の環境、繁殖など複数の条件が関係します。
また、そもそも私たちには「家の中のゴキブリをすべて食べ終えたか」を確認する方法がありません。
そのため、「アシダカグモをしばらく放置すればゴキブリを全滅させて自動的に退去してくれる」と期待するより、アシダカグモもゴキブリも家の中から減らしたいのであれば、清掃と侵入経路対策を行う方が確実です。
アシダカグモの毒や安全性
寝室に大きなクモがいるとなれば、やはり「毒はないの?」「寝ている間に咬まれない?」という不安も出てきますよね。
アシダカグモは獲物を捕らえるために毒を利用しますが、人にとって危険性の高いクモとして扱われているわけではありません。
フロリダ大学の解説でも、危険なクモではないとされる一方、不用意につかんだ場合などには咬まれ、局所的な痛みや目立つ腫れが生じる場合があるとされています。
ここから分かる大事なポイントは、「怖いから素手で捕まえる」のが一番避けたい行動だということです。
特に、次のような行動は避けましょう。
- 素手でつかむ
- 家具との間に追い込み、手を隙間へ入れる
- 靴の中を確認せず、そのまま履く
- 衣類に付いている可能性がある状態で強く握る
- 子どもやペットに触らせる
もしクモに咬まれたと考えられ、強い痛みや腫れなど気になる症状が出た場合は、自己判断だけで済ませず医療機関へ相談してください。可能であれば、無理に捕獲する必要はありませんが、クモの種類を確認できる写真があると状況説明に役立つことがあります。
アシダカグモを見つけたら殺さず外に出せる?
「ゴキブリを食べてくれるのは分かった。でも寝室にいるのは無理」という人もいると思います。
その場合、必ずしもその場で駆除する必要はありません。安全にできる状況であれば、容器などを使って捕獲し、屋外へ移す方法もあります。
例えば、壁の低い位置や床にいる場合は、大きめの透明容器を上からかぶせ、その下へ厚紙などをゆっくり差し込みます。そのまま容器と厚紙を押さえて運べば、直接触らずに移動できます。
ただし、天井や高い壁にいる場合は別です。
脚立に乗って素早いアシダカグモを追いかけると、クモよりも人間が転落する方が危険です。届かない位置にいるなら、無理に捕まえないでください。
また、苦手な人が無理に近づく必要もありません。家族に頼む、時間を置く、必要に応じて害虫駆除業者へ相談するなど、自分が安全にできる方法を選びましょう。
アシダカグモが家にいる場合の基本的な対策
「益虫なのは理解したけど、やっぱり家には入ってきてほしくない」という場合は、アシダカグモだけを追いかけるより、家の環境そのものを見直す方が根本的です。
ポイントは、餌になる昆虫を減らすこと、侵入できる場所を減らすこと、隠れ場所を増やしすぎないことです。
1. 餌になるゴキブリなどを減らす
アシダカグモはゴキブリなどの昆虫を捕食します。
そのため、屋内の昆虫が発生しにくい環境を作ることは、アシダカグモにとっても長く滞在するメリットを減らす方向につながります。
- 食べ残しを長時間放置しない
- 生ゴミはふた付き容器や袋で管理する
- キッチン周辺の油汚れや食品くずを掃除する
- 冷蔵庫や家具の下に落ちた食品を放置しない
- 必要に応じてゴキブリ用のベイト剤などを使用する
なお、殺虫剤やベイト剤は製品ごとに使用できる場所や注意事項が異なります。小さな子どもやペットがいる家庭では特に、パッケージに書かれている使用方法を守ってください。
2. 外から入り込める隙間を確認する
アシダカグモは平たい体をしているため、見た目から想像するより狭い場所へ入り込めます。
家の中で何度も見かける場合は、侵入経路になりそうな場所もチェックしてみましょう。
- 網戸に破れがないか
- 窓やサッシ周辺に大きな隙間がないか
- 玄関ドア周辺に隙間がないか
- 配管を通している壁の穴に大きな隙間が残っていないか
- 換気口など、本来必要な開口部の防虫対策が適切か
ただし、換気口や排水設備などは、むやみに完全に塞いではいけません。本来の換気や排水機能を損なわない方法で対策してください。
3. アシダカグモの「寝床」になりやすい場所を減らす
日中の潜伏場所を減らしておくことも、家の中をクモが利用しにくい環境へ近づける方法の一つです。
- 長期間置いたままの段ボールを整理する
- 床に衣類やバッグを放置しない
- クローゼットや押し入れを定期的に整理する
- 家具の下や裏を無理のない範囲で掃除する
- 物置に不要品を積み上げたままにしない
特に段ボールや積み重なった荷物は、物と物の間に隠れられる空間を作ります。
「寝る前になるといつも同じ部屋で見る」という場合は、その部屋にアシダカグモが潜伏できそうな場所が多くないか、一度整理してみるのもよいでしょう。
4. アシダカグモだけを追い出して終わりにしない
目の前の1匹を外へ出せば、その日の不安は解消できます。
ただ、何度もアシダカグモが出る場合は、それだけで対策終了にしない方がよいでしょう。
家の周囲や室内に侵入経路があるのか、餌になる昆虫が多いのか、隠れられる荷物が多いのか。原因になりそうな条件を一つずつ減らしていく方が再発防止につながります。
アシダカグモだけを敵として考えるのではなく、「なぜこの家の中を移動しているのか」という視点で見ると、対策しやすくなります。
アシダカグモが寝るときについてよくある疑問
電気をつけたまま寝ればアシダカグモは出てこない?
電気をつけていれば絶対に出てこない、とは考えない方がよいでしょう。
夜間に活動しやすいクモではありますが、室内照明をつけたからといって行動を完全に止められるわけではありません。
照明を一晩中つけることをアシダカグモ対策にするより、潜伏場所や侵入経路を確認する方が現実的です。
エアコンの中にアシダカグモは入る?
エアコン周辺は壁との境目や配管周辺など、人の目が届きにくい場所があります。そのため、「エアコンの近くへ逃げた」ということ自体はあり得ます。
ただし、姿を見失っただけで「室内機の内部へ入った」と断定することはできません。
確認のために自分でエアコンを分解するのは避けてください。内部には電気部品や可動部があります。
アシダカグモを1匹見たら何匹もいる?
1匹見つけたからといって、必ず家の中に多数の成体がいるとは限りません。
アシダカグモは単独で移動していることもあるため、「1匹見たら何十匹いる」といったゴキブリと同じ感覚で考える必要はありません。
ただし、卵のうを持つメスなど繁殖に関係する個体が家の中にいるケースは別です。何度も多数の個体を見かける場合や、自分で対応できないほど発生している場合は専門業者への相談も選択肢になります。
アシダカグモを見失ったまま寝ても大丈夫?
アシダカグモは、寝ている人を獲物として狙うクモではありません。その意味では、「見失った=寝ている間に襲われる」と考える必要はありません。
それでも気になるなら、寝具、ベッド下、壁との隙間、カーテン、床の衣類、スリッパなどを一度確認してから寝ると安心しやすいでしょう。
どうしても不安が残るなら、その晩だけ別室で寝るのも十分ありです。恐怖を我慢して睡眠を削る必要はありません。
アシダカグモは朝になるとどこへ行く?
夜に見えていたアシダカグモが朝になると消えている場合、家具の裏や下、クローゼット、壁掛けの裏など、人の目につきにくい場所へ潜伏している可能性があります。
「朝になったから必ず家の外へ出た」とは限らない点には注意してください。
夜になるとまた同じ部屋で見かけるなら、昼間に近くの隙間へ潜んでいた可能性も考えられます。
まとめ:アシダカグモが寝るときの疑問総括
最後に、「アシダカグモ 寝るとき」と検索してこの記事へたどり着いたあなたが知っておきたいポイントを整理します。
1. 人間が寝る時間はアシダカグモの活動時間と重なりやすい
アシダカグモは夜間に活動することで知られる徘徊性のクモです。そのため、人間が寝ようとする時間帯に壁や床へ出てくることがあります。
これは人間が眠るのを待って出てきているのではなく、アシダカグモ側の活動時間によるものと考える方が自然です。
2. 日中は家具の裏などに潜伏する
アシダカグモは平たい体をしているため、家具の下や裏、壁掛けの裏、収納、荷物の陰などへ入り込むことができます。
夜に見失った場合も、部屋の中央ではなく、こうした外から見えにくい場所を確認するのがポイントです。
3. 日中じっとしていても人間と同じ意味で寝ているとは断定できない
アシダカグモの日中の静止状態は、休息や潜伏と考えるのが無難です。
別種のハエトリグモではREM睡眠に似た状態が報告されていますが、それをそのままアシダカグモへ当てはめることはできません。
4. 寝ている人間を狙って近づくクモではない
アシダカグモはゴキブリなどの昆虫を捕食するクモです。人を獲物として追いかけるわけではありません。
ただし徘徊して移動するため、偶然ベッドや衣類の近くを通る可能性までゼロとはいえません。見失った場合は寝具やベッド下、壁際、カーテン、靴などを確認すると安心です。
5. 毒を持つが、素手で扱わないことが重要
アシダカグモは人にとって危険性の高いクモとして扱われてはいませんが、不用意に触ったり圧迫したりすると咬まれる可能性があります。
怖いからといって手でつかむのではなく、可能なら容器などを使って直接触らずに外へ出しましょう。
6. アシダカグモがいるだけでゴキブリ大量発生とは限らない
ゴキブリを捕食するのは事実ですが、アシダカグモを1匹見ただけで「この家にはゴキブリが大量にいる」とまでは判断できません。
ただ、ゴキブリそのものや糞などの痕跡も確認できるなら、アシダカグモだけでなくゴキブリ対策も進めた方がよいでしょう。
7. 家に入ってきてほしくないなら「餌・侵入経路・隠れ場所」を見直す
食べ物や生ゴミの管理、家具周辺の掃除、不要な段ボールの整理、窓や配管周辺の隙間確認などを行うことで、アシダカグモだけでなく屋内害虫全般が生活しにくい環境へ近づけられます。
アシダカグモは、見た目のインパクトがかなり強いクモです。寝る直前に突然現れれば、「益虫だから気にしなくて大丈夫」と言われても怖いものは怖いですよね。
ただ、生態を知っておけば、「寝ている自分を狙っているわけではない」「昼間は狭い場所へ潜伏しやすい」「素手で触らなければよい」と、何を警戒すればいいのかが見えてきます。
今まさに寝室でアシダカグモを見失ってしまったなら、まずは寝具、ベッドの下、壁際、カーテン、床に置いた衣類や靴を落ち着いて確認してみてください。それでも見つからず、どうしても気になって眠れないなら、その晩は別室で寝ても構いません。
そして翌日、侵入できそうな隙間や段ボールなどの潜伏場所、ゴキブリをはじめとした餌になる昆虫が発生しやすい環境がないかを確認しておくと、次に同じ思いをする可能性を減らせるかなと思います。



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