タレントとして長年にわたりお昼の顔として親しまれてきた小堺一機さん。
その明るい笑顔の裏には、意外なルーツがあります。実は小堺一機さんの実家は寿司屋で、父が東京・文京区で腕を振るっていた名職人でした。しかもその父は、南極観測隊に参加した“元祖・南極料理人”という驚きの経歴の持ち主。
この記事では、小堺一機さんの父と実家の寿司屋の物語、南極でのエピソード、そして家族との絆や現在の活動までを詳しく紹介します。
知られざる小堺家の温かいドラマを、じっくり紐解いていきましょう。
記事のポイント
小堺一機の寿司屋の実家の場所と父の物語
父が営んでいた寿司屋「鮨一機」と店名に込められた思い
タレントの小堺一機さんの実家は、かつて東京都文京区音羽にあった寿司屋「鮨一機（すし かずき）」でした。実はこの店、小堺さん自身が芸能界で成功を収めた後に、父・小堺秀男（ひでお）さんのためにプレゼントしたお店です。
「鮨一機」という店名には、息子である小堺一機さんの名前が使われており、父への感謝と尊敬の気持ちが込められていました。息子から父への贈り物として生まれた寿司屋は、まさに親子の絆を象徴する場所だったのです。
秀男さんは職人気質でありながら、お客様一人ひとりに丁寧に向き合う温かい人柄の持ち主だったといいます。店内はカウンターとテーブル席があり、地元の人々から「家庭的で居心地の良い寿司屋」として親しまれていました。
口コミによると、子ども連れでも気軽にカウンターに座れるほど、温かい雰囲気だったそうです。寿司屋というより“家族の食卓の延長線”のような場所だったのかもしれません。
出身地・文京区音羽にあった実家の寿司屋の詳細
小堺一機さんの実家の寿司屋「鮨一機」は、東京メトロ有楽町線・江戸川橋駅と護国寺駅の中間あたり、目白通り沿いの「アルス音羽II」というマンションの1階にありました。地元住民に愛され続けた名店でしたが、残念ながら現在は閉店しています。
お店の概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | 鮨一機（後に「鮨とよ島」へ改名） |
| 所在地 | 東京都文京区音羽1-22-18 アルス音羽II 1階 |
| 開業の経緯 | 一機さんが父のためにプレゼントした店 |
| 店主 | 小堺秀男（すし職人） |
| 店の特徴 | カウンター中心、アットホームな雰囲気 |
| 現在の状況 | 閉店（2015年頃） |
秀男さんが引退された後は、長年修業を共にした弟子が店を継ぎ、「鮨とよ島」と名前を変えて営業を続けていました。新しい大将のもとでも「小堺さんの父の店」として親しまれ、音羽の町の小さな名店として長く愛されたそうです。
職人・小堺秀男の人柄と小堺一機との絆
小堺秀男さんは、厳しさの中に深い愛情を持つ“昭和の父親”そのものでした。寿司職人としての技と誇りを持ち、家庭でも「悪いことは悪い」としっかりと教えるタイプだったといいます。
時にはちゃぶ台をひっくり返すほど激しく叱ることもあったそうですが、翌日には自らそのちゃぶ台を修理して元通りにするという律儀さもあったそうです。怒りっぱなしではなく、行動で「責任」と「愛情」を見せる人だったのです。
小堺一機さんは、そんな父の背中を見て育ちました。
後年、テレビ番組で父について「職人気質で頑固だったけど、愛情の深い人でした」と語っており、自分の「明るさ」「温かみ」は父の影響が大きいと振り返っています。芸能界でどんなに忙しくても、父の寿司屋には時々顔を出し、常連客と談笑していた姿も目撃されています。まさに家族愛と人情が詰まったお店だったのです。
父が南極へ渡った！元祖「南極料理人」としての驚きの経歴
小堺秀男さんの経歴の中でも、特に驚くべきなのが「南極観測隊の料理人」としての経験です。
1960年代後半、なんと秀男さんは家族にも告げずに南極観測隊の越冬隊に応募し、第9次（1967年〜）と第15次の2度にわたり南極に渡りました。寿司職人でありながら、極地の過酷な環境で仲間たちの食事を支えるという大仕事をやり遂げたのです。
彼が語った南極でのエピソードは数多くあります。
- 氷点下50℃の中で用を足しても、すぐ凍るほどの極寒だったこと
- 樺太犬がクレバス（氷の割れ目）を察知して命を救ってくれたこと
- 無音の世界に包まれた静寂の南極で、人間の存在を見つめ直したこと
- そして、極限の環境の中でも「笑い」を大切にしていたこと
秀男さんは南極で流しそうめんを行うなど、ユーモアと工夫で仲間を笑顔にしたといいます。その明るい性格から「陳さん」というあだ名で親しまれていました。
この経験は、息子の小堺一機さんにも大きな影響を与えています。実際、一機さんが初めてテレビに出演したのは、「南極料理人の息子」としてNHKの番組に出演した時でした。つまり、父の挑戦が息子の芸能人生の第一歩につながっていたのです。
家族が語る寿司屋と父の温かいエピソード
小堺家では、いつも家族と食卓を囲む時間を大切にしていたそうです。寿司屋を営んでいた頃は、仕事の合間にも家族との会話を欠かさず、店に訪れる常連客も含めて“大家族”のような雰囲気だったといいます。
家族が語る秀男さんの印象は「厳しいけれど優しい」「怒る時も愛情があった」というもの。南極から帰ってきた後も、地域の子どもたちに南極での話を面白おかしく語り、笑いを届けていたそうです。
また、小堺一機さんがテレビで成功した後も、「お前が人を笑顔にできるのはえらいことだ」と誇らしげに語っていたといいます。寿司職人としての誇りと、父としての温かさを持ち続けた人でした。
息子・小堺翔太が明かす「父と祖父の寿司屋の思い出」
小堺一機さんの息子である小堺翔太さんも、祖父・秀男さんの寿司屋にまつわる思い出をたびたび語っています。翔太さんは幼い頃、音羽の「鮨一機」によく連れて行かれ、祖父が握る寿司を嬉しそうに食べていたそうです。
翔太さんは現在、フリーアナウンサー・タレントとして活躍していますが、祖父や父の影響について「どんな仕事でも“人との関係”を大切にすることを教わった」と語っています。寿司職人として客に誠実に向き合った祖父と、司会者として観客を笑顔にする父。その二人に共通するのは、「相手を楽しませることへの真心」でした。
祖父から父へ、そして息子へと受け継がれた“人を笑顔にするDNA”。それは、南極の極寒を乗り越えた職人の温もりと、テレビの前で笑顔を届けるタレントの優しさをつなぐ、まさに「小堺家の伝統」と言えるのです。
小堺一機の寿司屋の実家と家族の今、そして本人の現在
最近見ないと言われる理由と現在の活動
一時期、「最近テレビで見かけなくなった」と言われることもあった小堺一機さんですが、決して芸能活動を引退したわけではありません。
現在もタレント、司会者としての活動を続けており、テレビやラジオを中心にマイペースなスタイルで出演しています。
代表的な番組といえば、長寿バラエティ番組『ライオンのいただきます』『ごきげんよう』などでの穏やかでユーモラスな司会ぶりが印象的でした。特に『ごきげんよう』は約24年間も続いた人気番組で、彼の「柔らかい人柄」と「場を和ませるトーク力」が視聴者に愛されていました。
近年は大規模な地上波番組への出演こそ減ったものの、BS・CSチャンネル、舞台、ラジオ、イベント司会などで活動を継続中です。特に文化放送のラジオ番組や、トークイベントなどでは、変わらぬ明るいキャラクターでファンを楽しませています。
また、息子の小堺翔太さんとの親子共演も増えており、翔太さんのYouTubeチャンネルやイベントで共にトークを披露することもあります。
テレビの露出が少なくなったのは、本人が意識的に“等身大の仕事の仕方”を選んでいるためであり、現在も芸能界で精力的に活動されています。
闘病を乗り越えた病気の過去と健康への意識
小堺一機さんが「テレビに出なくなったのでは？」と心配された大きな理由の一つが、過去の病気による闘病です。
2004年、小堺さんは「脳腫瘍（良性）」のため一時的に芸能活動を休止していました。当時は突然の休養発表に多くのファンが驚き、心配の声が広がりました。
幸いにも早期発見だったことから、手術は無事成功。リハビリを経て、翌年には仕事に復帰しました。復帰後は以前にも増して健康管理に気を配るようになり、生活習慣を見直したといいます。
本人はその経験を通じて「健康は当たり前じゃない」と語り、家族や支えてくれたスタッフ、ファンへの感謝を何度も口にしていました。
闘病生活を通して芽生えた「生き方の変化」について、小堺さんはインタビューで次のように語っています。
- 無理をしないこと
- 家族との時間を大切にすること
- 一日一日を笑顔で過ごすこと
これらの言葉には、人生の重みと感謝の気持ちがにじんでおり、闘病を経験したからこそ得た深い人生観が感じられます。
奥さんとの夫婦愛と支え合いのエピソード
小堺一機さんを語る上で欠かせないのが、奥様との絆です。
小堺さんは1985年に一般女性と結婚しており、芸能界に入ってからも一貫して家庭を大切にしてきました。奥様は芸能人ではないため、表に出ることはほとんどありませんが、家庭の支えとして常に小堺さんを支えてきた存在です。
特に、2004年の闘病時には、奥様が看病や生活面のサポートを一手に引き受けたといわれています。病室では毎日のように笑顔で寄り添い、小堺さんの心の支えになっていたそうです。
小堺さんも退院後のインタビューで「妻がいなかったら、今こうして笑っていられない」と語っており、夫婦の信頼関係の深さがうかがえます。
また、結婚から40年近く経った今も、お互いを尊重し合う関係を続けており、芸能界でも珍しいほどの“おしどり夫婦”として知られています。家庭では、夫婦で映画を見たり、食事を共にしたりと、穏やかな時間を楽しんでいるそうです。
家族との絆が支えた闘病生活の裏側
小堺一機さんの闘病を乗り越えられた背景には、家族全員の支えがありました。
特に妻と息子の存在は大きく、闘病中も常にポジティブな空気を絶やさなかったと言います。家庭では悲しみよりも笑顔を優先し、病室で冗談を交わすほど明るい雰囲気を保っていたそうです。
息子の翔太さんは、当時まだ若く、父の病状を理解しきれない年齢でしたが、母の献身的な姿を見て「支えることの意味」を学んだと語っています。
その後、自身もアナウンサーとして活動を始め、父と同じように「人を笑顔にする仕事」を選んだのは、幼い頃に見た父母の強い絆の影響があったのかもしれません。
小堺家は、病気という試練を通じて家族の絆を一層深め、今では“支え合いの家族”として理想的な関係を築いています。
父・小堺秀男の南極エピソードが今も家族に残した教え
小堺一機さんの父・小堺秀男さんは、寿司職人でありながら「南極観測隊の料理人」として2度も南極に渡った異色の経歴を持っています。
このエピソードは家族の中でも語り継がれ、今なお“家族の誇り”として受け継がれています。
秀男さんが南極で過ごした日々は、単なる冒険ではなく、「どんな環境でも前向きに生きる力」を教えてくれるものでした。
その教えは今も家族の生き方の根底にあります。
- 困難な状況こそ笑顔を忘れない
- どんな仕事も誇りを持って取り組む
- 周囲を明るくするユーモアを大切にする
小堺一機さんは父の姿を通じて「笑いで人を救える」という信念を持ち、それが芸能人生の支えになったと語っています。
また、息子の翔太さんも祖父の南極体験を「人間としての原点」として尊敬しており、家族の中では今も“南極料理人の精神”が息づいています。
小堺家の物語は、単なる芸能一家の歴史ではなく、世代を超えて受け継がれる「挑戦」と「笑顔の力」の物語です。
総括：小堺一機の寿司屋の実家はどこ？父が営んだ名店と驚きの南極エピソードについて
小堺一機さんのルーツをたどると、そこには「家族の絆」「職人の誇り」「挑戦する勇気」という3つの柱が浮かび上がります。
実家が営んでいた寿司屋「鮨一機」は、単なる飲食店ではなく、家族の愛情や努力が詰まった“物語の舞台”だったのです。
ここで、これまでの内容を整理しながら、小堺家の魅力を総括します。
- 実家の寿司屋「鮨一機」は東京・文京区音羽にあった名店
小堺一機さんが父・秀男さんのためにプレゼントした店で、親子の絆を象徴する場所でした。
アットホームな雰囲気と丁寧な仕事で、地元に長く愛されました。 - 父・小堺秀男さんは寿司職人であり、冒険家でもあった
南極観測隊の料理人として2度も南極に渡り、仲間たちを支えた「元祖・南極料理人」。
極寒の地でユーモアを忘れず、笑顔を届けたその精神は、息子一機さんにも大きな影響を与えました。 - 寿司屋の歴史は「継承」と「感謝」の物語
「鮨一機」はのちに弟子が継ぎ「鮨とよ島」として営業を続け、音羽の人々に親しまれました。
その歩みは、家族と弟子の絆が生んだ“人情のリレー”でもあります。 - 小堺一機さん自身も「笑顔」を武器にしたエンターテイナー
父の教えを胸に、「人を笑顔にする」ことを生業として、長年テレビで活躍。
病気を乗り越えた今も、穏やかで前向きな姿勢を保ち続けています。 - 家族全員が「支え合い」を大切にしている
妻は闘病中も常に寄り添い、息子の翔太さんは父と祖父の精神を受け継いでメディアの世界へ。
世代を超えて「笑顔と誠実さ」という家族の信念が息づいています。
小堺一機さんの実家の寿司屋「鮨一機」は、すでに閉店していますが、その存在は今も多くの人の記憶に残っています。
そして、父・小堺秀男さんが南極で示した「前向きに生きる力」と「人を笑顔にする心」は、今も小堺家の大切な教えとして受け継がれています。
小堺一機さんの温かい笑顔の裏には、職人気質の父と、それを支える家族の愛がありました。
寿司屋から南極へ、そして芸能界へと続くこの物語は、「家族の力が人を輝かせる」ということを静かに教えてくれます。
コメント