
『機動戦士ガンダム』に登場するシャリアブルは、わずか1話の登場ながら「かわいそう」と言われ続けてきたキャラクターです。
強さを持ちながらも報われず、シャアとの関係やオリジンでの評価の低下など、数々の要素が彼を「不遇のニュータイプ」として印象づけました。しかし近年では『ジークアクス』での復活や「緑のおじさん」という愛称をきっかけに人気が急上昇し、イケオジでかっこいい存在として再評価されています。
本記事では、シャリアブルの最後の結末やシロッコとの比較、さらにはなんjでのミーム化まで徹底解説します。
機動戦士Gundam GQuuuuuuX – Wikipedia↗
記事のポイント
シャリアブルがかわいそうと言われる理由とその背景

シャリア・ブルは『機動戦士ガンダム』の中でも登場回数が少ないキャラクターでありながら、その「不遇さ」からファンの記憶に深く刻まれている人物です。
わずか1話の登場ながら「かわいそう」と言われ続ける理由は、彼の強さや可能性が正当に評価されることなく、あまりにもあっけなく散ってしまったからです。
その背景には、物語の構造的な都合や、彼の立場と境遇が大きく影響しています。
ここでは、なぜ彼が「かわいそう」と語られるのかを、作品ごとの描かれ方や他キャラクターとの関係性から掘り下げていきます。
最後の結末がかわいそうすぎる

シャリアブルの最期は、どの作品においても「救いのない孤独な死」として描かれています。
初代アニメでは、アムロとの戦闘に敗れながらも、彼を「真のニュータイプ」と認める余裕を見せつつ散りました。これは武人としての誇りを感じさせる一方で、わずかな登場で強大な可能性を秘めていた人物が退場するという喪失感を視聴者に残します。
小説版ではさらに悲劇性が強調され、和平を試みるもアムロに誤解され撃墜されるという無念の死を迎えます。『THE ORIGIN』では、プライドの高い人物として描かれた末に「この程度の男」とシャアに切り捨てられ、無念を抱えたまま誰にも看取られずに散ります。
これらの描写に共通するのは、「彼を悼む人物がほとんどいない」という点です。能力を持ちながらも、最後は孤独に戦場で散る姿が「かわいそう」と語られる最大の理由です。
強いのに報われなかった実力

シャリアブルは間違いなく高い実力を持ったニュータイプでした。特に以下の点が挙げられます。
- 複雑な操作を要するモビルアーマー「ブラウ・ブロ」を初搭乗で乗りこなし、ホワイトベース隊を翻弄したこと
- アムロとの戦闘においても冷静沈着で、感情に流されず戦況を分析する知性を見せたこと
- 敗北の瞬間ですらアムロの才能を正しく評価できる精神的な成熟さを持っていたこと
ゲーム作品『スーパーロボット大戦』や『Gジェネレーション』でも、覚醒値が高く強ユニットとして登場するなど、その「強さ」は一貫して描かれています。にもかかわらず、物語上では彼の力が十分に発揮される前に退場してしまい、その「報われなさ」がファンに強烈な印象を残しました。
年齢は何歳なのかと老けすぎと言われる理由

シャリアブルは、その「年齢設定」と「外見のギャップ」からも語られるキャラクターです。
- 初代アニメ:年齢は明かされていないが、白髪や落ち着いた雰囲気から壮年の軍人に見える
- 小説版:28歳と明記される。外見との差からシャアに「老けて見える」と評される
- 『ジークアクス』:34歳として設定され、経験豊富な「イケオジ」として描かれる
この設定の変遷は、彼の「老けすぎ」というイメージを強める一因になりました。若さと外見の不一致は、過酷な環境やニュータイプとしての宿命によって早く老いてしまった人物像を浮かび上がらせています。
シャアとの関係性に見る悲劇

シャリアブルとシャアの関係性は作品ごとに異なり、それが彼の評価を大きく左右しています。
- TV版:互いに能力を認め合う同僚として描かれた
- 小説版:ザビ家打倒を共に誓う「同志」として強い絆を持った
- 『THE ORIGIN』:傲慢さを理由にシャアから軽蔑され、死後も「この程度の男」と切り捨てられる
- 『ジークアクス』:相棒として深い絆を描かれ、「マヴ」として共に戦う存在となる
特に『THE ORIGIN』での侮蔑的な描写は、彼の評価を大きく下げ、読者に「かわいそう」という印象を強めました。
オリジンで描かれる評価の低下

安彦良和氏による漫画『THE ORIGIN』では、シャリアブルは大幅にキャラクター像を変更されています。黒髪・黒髭の若々しい外見に変更され、性格も傲慢で高慢な人物として再構築されました。
この改変により、初代アニメや小説版での「賢明で大人のニュータイプ」という評価が崩れ去り、「小物感のある人物」として描かれてしまったのです。ファンからは「これではあまりにもかわいそう」という声が多く、後の作品で再評価される土台ともなりました。
シロッコとの共通点と違い

シャリアブルと『Zガンダム』に登場するシロッコは、よく比較されるキャラクターです。両者の共通点と相違点を整理すると以下のようになります。
項目 | シャリアブル | パプテマス・シロッコ |
---|---|---|
登場作品 | 初代『ガンダム』 | 『Zガンダム』 |
能力 | 高い空間認識能力、冷静沈着 | 圧倒的な頭脳、カリスマ性 |
共通点 | 大人のニュータイプとして若者と対比される存在 | 同上 |
相違点 | 悲劇的に散り、不遇な評価 | 最後まで強敵として描かれる |
両者とも「大人のニュータイプ」として描かれますが、シロッコは長く作品に登場し、戦略家としても活躍しました。一方のシャリアブルは、実力を見せる間もなく退場させられたことで、「本来ならシロッコに並ぶ存在だったのでは」という惜しまれる評価につながっています。
こうした比較も、彼が「かわいそう」と言われ続ける背景の一つになっています。
シャリアブルがかわいそうから人気キャラへ変わるまで

初代『機動戦士ガンダム』での登場は短く、悲劇的な最期を迎えたシャリア・ブル。しかし、その後の派生作品やファン文化の中で再解釈され、今では「人気キャラ」として復活を果たしています。
彼の魅力は単なる「不遇の天才」という一点にとどまらず、時代ごとに新しい価値が与えられてきました。ここでは、シャリアブルが「かわいそう」から「人気キャラ」へと変わっていく流れを追っていきます。
ジークアクスでの復活と目的

社会現象となった最新作『ジークアクス』で、シャリアブルはついに復活を果たしました。物語のクライマックスでシャアとの死闘の末に相討ちとなるものの、後のエピソードで生還が明かされる展開は、彼の「かわいそうな結末」に対する明確な救済となっています。
さらに『ジークアクス』では、彼の目的が「ジオン最強のニュータイプ」としての宿命だけでなく、仲間や理想を守る使命感に変化して描かれました。従来の「悲劇的な脇役」から「カリスマ的中心人物」への転換は、この作品を境に大きく定着したと言えます。
イケオジでかっこいい魅力

『ジークアクス』で描かれるシャリアブルは、34歳という壮年の年齢設定に変更されました。これは「経験豊富なイケオジ」としての魅力を前面に押し出す演出であり、落ち着きと渋さを併せ持つ姿は多くのファンに新鮮な印象を与えました。
ポイントとしては、
- 若いニュータイプにはない冷静さ
- 見た目の渋さと実力のバランス
- シャアと並び立つほどの存在感
が挙げられます。これにより、従来は「かわいそう」とされていた外見年齢のギャップが、むしろ「かっこいい魅力」として再評価されるきっかけとなりました。
緑のおじさんとして広がった人気

インターネット上では、シャリアブルは「緑のおじさん」という愛称で呼ばれることがあります。これは彼の搭乗機ブラウ・ブロの緑系のカラーリングと、渋い中年キャラクターとしてのイメージが合わさったもので、親しみやすさを強調する呼び名となりました。
ファンコミュニティやSNSでは、以下のような要素で人気が広がっています。
- 「緑のおじさん」としてのキャラ付けのしやすさ
- ネタとして扱いつつも実力者というギャップ
- コアなファン層だけでなくライト層にも浸透する呼称
このように、インターネット文化がシャリアブルの再評価を後押しし、広範囲な人気を生み出しました。
最強説と現代での評価

かつては「惜しくも退場した強敵」としての認識に留まっていたシャリアブルですが、現代では「ジオン最強のニュータイプ」として公式に位置付けられるまでになりました。『ジークアクス』ではナレーションやキャラクターの台詞を通じて、彼が最強であることが明確に示され、議論の余地がなくなっています。
表に整理すると、彼の評価の変遷は次のようになります。
時代 | 評価 | 特徴 |
---|---|---|
初代アニメ | 強敵だが短命 | アムロに敗れ退場 |
小説版 | 悲劇性の強調 | 和平を試みるが誤解で撃墜 |
THE ORIGIN | 評価の低下 | 傲慢な人物像へ改変 |
ジークアクス | 最強のニュータイプ | シャアと並ぶ中心人物 |
このように、長年の「議論」や「惜しむ声」が積み重なり、ついには公式に「最強」として認定されたことが、彼の人気を決定づけました。
なんjでのミーム化と人気拡大

現代のファン文化において、シャリアブルの人気を後押ししたのが「なんj」でのミーム化です。匿名掲示板で彼の名場面や不遇さがネタとして語られ、次第に「緑のおじさん」「最強ニュータイプ」といったフレーズと共に浸透していきました。
特に盛り上がったのは、
- 「シャリアブル最強説」をネタとして語るスレッド
- シロッコやアムロとの比較で遊ぶミーム
- 「かわいそう」から「かっこいい」へと転換する語り口
といった投稿で、これがSNSに拡散され、ライト層にも知名度が広がっていきました。結果として、シャリアブルは単なる一発屋キャラではなく、ネット時代に適応した「ネタと本気の両立キャラ」として定着していったのです。
総括:シャリアブルがかわいそうな最期とジークアクスでの復活について
シャリアブルは『機動戦士ガンダム』における「不遇のニュータイプ」として長年語られてきました。しかし、その後の派生作品やネット文化の広がりによって再評価され、現代では「最強でありながら魅力的なイケオジ」として人気を確立しました。彼の物語を総括すると、次のようなポイントに整理できます。
- 悲劇的な最期が「かわいそう」と語られる最大の要因
・初代アニメ、小説版、THE ORIGINといずれの作品でも孤独に散る描写が強調された
・誰からも悼まれずに去る姿が、多くの視聴者の胸に残った - 実力は確かだったが報われなかった天才
・ブラウ・ブロを初搭乗で操りホワイトベース隊を圧倒
・ニュータイプの中でも稀有な冷静さと分析力を持っていた
・それでも短い登場で退場させられる「勿体なさ」が評価に影響 - 年齢設定と外見のギャップがキャラ性を強調
・小説版で28歳とされながらも「老けすぎ」と言われる外見
・これが逆に「重みのある大人のニュータイプ」として個性を際立たせた - シャアやシロッコとの比較で浮き彫りになる存在感
・シャアとの関係は作品ごとに変化し、悲劇性を強めた
・シロッコと並べられることで「本来なら大成していたキャラ」と語られる - 『ジークアクス』による復活と救済
・相討ちからの生還という展開で「かわいそうな最期」を覆す
・34歳設定で「イケオジ」としての魅力が強調される
・公式に「ジオン最強のニュータイプ」と位置付けられることで評価が確立 - ネット文化による人気の拡大
・「緑のおじさん」という愛称が定着し、親しみやすさが増した
・なんjでのミーム化により、ネタと本気が両立したキャラとして広がった
総じて、シャリアブルは「短命で不遇なキャラクター」から「復活と救済を得た人気キャラ」へと変貌しました。その過程には、作品ごとの描写の違いと、ファンの間で語り継がれ続けた背景が大きく関わっています。結果として、彼は今もガンダムシリーズの中で独自の輝きを放つ存在となっているのです。
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